おばあちゃんのこと
おばあちゃんに相談にくる人の
内容は様々だったけど私が
印象に残っているのは人探しだ
探したい人の住所・誕生日
名前を聞きそれを手がかりに
石神様に様々な聞き方で
きいてみる
時間としては1組の相談者につき
15分前後という感じだった
石神様を通して分かったことを
相談者に伝える
残念ながら明確に伝えることが
できない時もある
それは最悪の事態の時
その時は何をどう聞いても
分かることは見えにくいようだった
それ以外であれば
方角を伝えその方角で
更に詳しいところを
分かる範囲で伝える
すると後日相談者から
お礼の連絡が来る
尋ね人だけではなく
探しものや縁談、就職や受験など
相談されたことでみえることは
そのままを伝えていた
それからおばあちゃんが
「今誰か来た」というのに
誰もいない時は「挨拶に来たんだね」と
言っていた
すると訃報の知らせが来るのだ
いない人がそこにみえるとき
その本人が別な場所でケガをしている
こともあった
小さい頃からそんなことを普通のこととして
生活していたからどこのおばあちゃんも
そんなふうにみえるし、わかるものだと思っていた
中学になり何かの話の中で友達のおばあちゃんは
そういうことはできないと分かった時は驚いた
でも同時にうちのおばあちゃんみたいな存在を否定したり
嘘つき呼ばわりする人がいることも知った
だからそれ以降おばあちゃんを否定されるのが悲しいから
おばあちゃんのことは話さないようにした