老いを見守る
母からの電話
親からの朝早い電話に焦るような
心持ちになるようになったのは
それが親の老いを感じさせるものが
何度かあったから
電話をもらい車をとばして
駆けつけると救急車の
サイレンが近づいてきて
同乗し病院へ向かう途中
救急隊員の方に昨日の様子や
食べた物を聞かれても
答えられない自分に
その時に気がついた
すぐ駆けつけられる距離にいるのに
私は親のことをいざという時に
何も知らないのだと愕然とした
その時から親には
週に何度かは電話し
1週間に1度は家に
行って様子を見ることにした
幸い今日は緊急性はなく
日曜日も診療している
病院を探して受診した
おばあちゃんが倒れてから
亡くなるまで何度か
危篤の知らせを受けて
病院へ駆けつけた
その都度駆けつけると持ち直し
それを繰り返して何度目かの時に
駆けつけるとおばあちゃんは息を
引き取っていた
葬儀が全てすんだ時に
「おふくろは何度も危篤になり
持ち直してそうやって家族に
心の準備をさせてくれたような
気がする」と父が呟いた
自分の親の老いを
近くで実感していくのは
正直辛いし悲しいし
なんとも言えない不安な
気持ちになる
でも突然逝かれるよりは
ずっといい