初めての瞬間
子どもが年長さんの時に
描いてくれた私の絵
笑顔の私の横に
たどたどしいひらがなで
書かれた
「ままやさしい」の文字
家事も育児も仕事も
保育園に入る前から
ひとりで背負ってきた
自分で決めた道とはいえ
日々の疲労や将来への
不安でイライラしてばかりの日々
優しいママだったことなんて
あっただろうか
今朝も朝から時間に起きてこない
たったそれだけでイライラして
いやなことを言ってしまった
昨日の地元紙で
春から進学する学校の卒業後の
進路が記事になっていた
半数以上が県外にいく現実
学生生活は5年
365日×5年=1825
もし進路を県外にとるなら
あと1825日しか一緒に暮らせない
いつかは私から離れていく
1日1日が貴重なのに
分かりきっていることなのに
些細なことでイライラする
自分がいやになる
今になって保育園に預けて
仕事に奔走したことが
たまらなくもったいない時間に
思える
初めてしゃべった言葉も
初めてつかまり立ちした瞬間も
初めて歩いた瞬間も
こどもの人生初の多くの瞬間を
私は見ることができなかった
優しくしたいのに
優しくできない時
私の心には様々な
取り返しのつかない
後悔が渦巻いている